體術のブログ

八卦掌と體術のよもやま話

84-25.拳打の衝撃力

拳打の威力を衝撃力として算出してみました。

適当な文献が無かったので「かのよしのり著.銃の科学」

を参考にさせて頂きました。

狩猟の時 大雑把にいって 

その動物の体重に「キログラムフォース.メートル」をつけた

運動エネルギーが

その動物を倒すのに必要なエネルギーである

という事です。

計算式は

運動エネルギーkgf.m🟰質量kg✖️速度m.sの二乗(重力加速度✖️2)

となります。

私が体当たりした時の運動エネルギーを算出してみます。

体重75kg、秒速5mで計算してみますと

質量(体重)75kg

速度     5mとして

5✖️5✖️5を2✖️9.8で割ります。

1,875➗19.6🟰95.66となります。

つまり体重95kgの動物を倒せるという計算になります。

勿論これは動物の生命力は千差万別ですので

必ずしもこうなるという訳ではありませんので

一応の目安という事です。

もう一つ重要なことがあります。

以下はかのよしのり著「拳銃の科学」からの引用になります。

近代兵器の世界では戦場で

敵兵の戦闘力を奪うのに必要なエネルギーは10kgf.m

と言われているそうです。

これは必ずしも敵兵を殺すというのではなく

「衛生兵に手当してもらわなくてはヤバい」

という事です。

仮に8リットルの水が入ったバケツを振り回すとします。

すると速度は毎秒5m位でしょう。

8✖️5✖️➗(2✖️9.8

200➗19.6🟰10.2 となります。

吾々が街中で使う場合は過剰防衛となるかもしれませんね。

その半分の4リットルの場合はどうでしょう。

✖️5✖️5➗(2✖️9.8)🟰5.

これくらいならギリギリセーフかな。

一応の目安としてください。

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  令和六年七月三日

  

84-24. 刀を抜く時の身體と内功との連関

具體的に刀、特に長い場合は右腕だけでは抜けません。

左を引いて 背中を広げる様にします。

これは内功を使うときの含胸抜背に似ています。

この背中を

拡げる という動作ですが、

形が何とも難しくて 何年修行してても出来ないのです。

否 正確には ほとんどの人が不完全なまま なのです。

これだけでも刀を振るう甲斐があろうと思います。

更にはこの含胸抜背というか 

含胸広背という形は半身の形になっています。

また實際に刀を振る手も 

沈肩墜肘と云う肩、肘が墜ちた

理想的な手肘の形になっています。

というわけで 站樁功を練る時の基本の形が

労せずして出来るわけです。

何事でもそうなのですが

基本の形がしっかりと出来てたら

もうそれは完成間近といってもいいでしょう。

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令和六年六月二十七日

84-23.實際に居合刀を使う

その前に何故 刀(道具)を使うと

経験の伝承が起きやすいのかについて考察していきます。

爪や牙を使ってた時には自分単體での闘いだったものが、

道具を使うということはもっと上のレベルの闘い、

もっと大きな獲物だとか、力のある獲物だとかを

標的にする様になったということです。

これは端的には知能の発達を意味しているということです。

また集団での狩りとかをやる様になってきて

意思の疎通を図る様になってきたわけです。

その段階になって他人の経験を集団で共有する事が

できる様になったわけです。

そうなると経験の蓄積が図られ、

方法の進歩もできる様になったわけです。

道具の使い方も単純なやり方から 

複雑で巧妙な扱い方を模索し 

効果、威力の向上が図られる様になりました。

すると単に殴るだけでも 

より効果の高いやり方をする様になったという事です。

これは武器を使わない格闘でも同様であろうと思うのです。

素手の自然発生的な格闘より 

効率の良い格闘(術)になっていくわけです。

これが素手の格闘術は武器術の後から発達した理由であります。

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令和六年六月二十一日

84-2. 何故 刀なのか

説明します。

素手の武術は

刀、剣、槍の武術の後から発達しているからです。

ヒト、人類の格闘は 確かに牙や爪で噛んだり 

引っ掻いたりから出発しているのですが、

ヒトが道具を使い、先を尖らせ、

あるいは鋭くして使うことを覚えてから 

アタマの働きが急速に良くなって行きます。

つまりここが人類文明の原点とも言えます。

爪や牙を使っている時と、道具を 

この場合は刃物ですが

使う段階の大きな差は 

自分の経験を後の世代に伝えているか否か

という点にあります。

つまり技術の蓄積があるのか否ということです。

それからもう一度 素手の戦いに戻ったのです。 

道具この場合は武器術ですが、

武器を使うときの身體の運用法を

素手の闘いに使ってみると

思いのほか上手く行ったというのが

素手の格闘術の始まりなのでしょう。

何故なら道具というものは使いこなす事で

その働きが 仕事が 

格段にレベルアップする事がわかるからです。

足の運び、力の入れ具合で差が出るのなら 

それを素手の格闘に使わぬという法はありません。

ただ単にガムシャラに體を動かしての格闘より 

経験値に裏付けられた闘いの方が勝てるとなれば

それを選ぶでしょうから。

吾々日本人は 日本刀を使っての闘い方から学ぶ方が

より深く学べようというものです。

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令和六年六月十三日

    

  

84-21.弓歩と跟歩の連関

太極拳の歩法は先ず 前脚を出してから重心を移動させます。

掌打や拳打も この動きに合わせて撃ち出します。

肘の伸展による加撃ではなく

重心の移動を利用しています。

肘は落としていますが 伸ばすのではなく曲がらない様にして

重心の移動によるエネルギーの伝達をしています。

この方法のもっと高級バージョンが 跟歩による打撃な訳です。

掌打なり拳打なりを軽く相手に當て 

後脚を少し前に踏み落とす様に跟歩して加撃します。

上手く極まると動画の様に相手を發き跳ばせます。

意識の使い方が肝要ですね。

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令和六年六月四日

84-20.多方向に同時に動かす

吾が國の古武道によく見られる身體操作法なのです。

多方向、もしくは異方向に

同時に身體を動かすやり方なのですが、

同速度、上達しては異速度で同時に體を動かすものです。

ここでは入門編として同速度で動かしています。

それでも中々上手く出来ないものです。

慣れないと技を掛けられていても知覚出来ません。

先達から何度も技を掛けて貰い身につけます。

自分の感覚と知覚との齟齬に苦しみます。

力を抜いて繰り返すしかありません。

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令和六年五月二十九日 

84-19. 板の上に載せるという事と化勁の連関

板の上に載せるというのは制圧するということです。

この場合イメージするという事が大切です。

面で制圧するという事です。

太極拳の化勁というのは 自分の腕なり何なり が

点とか線とかじゃ無くて 

面であるとイメージ出来るかどうかが

化勁が成功するか否かの分岐となります。

イメージが成功するとその後、

相手を崩したり腕を極めたりする段階に進むわけです。

その時は推しながら同時に横に引いたりします。

この時は異方向に同時に動きます。

動画では上手くいかない様子も撮影していますが

これも大事な事です。

どういうことかと言うと 

自分のイメージと實際の感覚が異なるということなのです。

何もない時にイメージした時の感覚が

相手の身体に触れることでエラーを起こすのです。

イメージの感覚と實際に触れた時の感覚とでは

實際の感覚が何十倍も強烈なのでそちらに引きづられ

技が崩れてしまうのです。

この場合、どうするのかと言うと 

更に力を抜き ゆっくりと技を掛け 

イメージの感覚と實際とで 感覚に齟齬がでない様に

慎重に稽古する必要があります。

このような稽古が出来なかった場合は

剛力頼みの力技になってしまいます。

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令和六年五月二十二日

84-18. 化勁の理解と修得

太極拳の化勁は理解も修得にもかなり困難を伴います。

そこで理解の手助けになればと思い 

剣道の巻き込みという技を参考にさせて貰いました。

ただこれは

私の理解出来る範囲内でのことで説明させて貰います。

實際に竹刀等の丸い形状の棒でやってみても 

何も解りませんので

羽子板状のもので試して見ました。

広い板状の面で廻して見るとよく解ります。

板の上に相手の棒を載せて廻し 

跳ね上げる様にすると相手の棒を發き跳ばせます。

ここで大事なのは

板の上に相手の棒を載せるという事です。

これが出来ると板ではなくて 

棒対棒でもこれが出来る様になります。

棒でも出来る様になると小手と小手を絡み合わせても

發き跳ばせる様になります。

また相手の制圧も容易に出来る様になります。

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令和六年五月十四日

84-17. 技を使う

技とは 形と動きです。

正しい軌跡をなぞる事から始まります。

静止した形の技の開始から終了まで

正確に軌跡をなぞる事が要求されます。

大體の軌跡と動き(つまり型が)が身に付いたら

今度は相手に仕掛けてみます。

ここで相手に有効だったらOKです。

しかし殆どの場合はそうは上手くいきませんので

ここからが本當の稽古となります。

通常、技が効かない場合、

技を効かせようとして 力んだり、早くしてみたりしてしまい、

これでは単なる力技になってしまいます。

そのため筋トレをやったりしていますね。

吾が教室では通常とは反対に 

リラックスして より柔らかく、よりゆっくり

するように心掛けています。

ゆっくり 柔らかく型を稽古していますと 

ある時から技が効く様になってきます。

ただこれは自分の主観的な感覚であり 

他から つまり客観的に見ると

力強く早く見えるのです。

無駄をギリギリまで削ぎ落としたものなのです。

この場合 早いというのは「目にも留まらぬ早さ」というより

ゆっくり見えているのに 追い付けない」という様に顕れます。

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令和六年五月四日

84-16.武術の方角(捕捉)

前回の捕捉説明です。

南に朱雀、北に玄武、

東に青龍、西に白虎と配置したら 

今度は地球の方角から離れて活用します。

これが、ここのところが

吾々日本人には理解し難いところなのです。

つまり 青龍、白虎、朱雀、玄武を東西南北に拘泥せず

自分の正面を朱雀、背後を玄武、

左を青龍右を白虎として扱うのです。

余談ですが日本の家相が外れ易いのは 

南は朱雀、北を玄武、東を青龍、西を白虎と

固定して判断するからだと思うのです。

更に追加です。

東北は うしとら、 艮(ゴン)

東南は たつみ、  巽(ソン)

西南は ひつじさる、坤(コン)

西北は いぬい   乾(ケン)

と呼ぶ事にします。

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令和六年四月二十六日

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