體術のブログ

八卦掌と體術のよもやま話

11.均等に圧を加える(83-11)

體術の指導をしていて氣が着いたのですが 

初心者にとっては一定の力を加え続けると云うのは

かなり難しいようですね。

強くなったり弱くなったりして斑が生じます。

相手の手首を引きながら押さえると

崩すことが出来るのですが

一定の力で引っ張ると云う動作が

初心のうちはまずできません。

引っ張ってから押さえるのではなくて

引っ張り続けながら押さえるのです。

さらに引っ張ると云うのは横方向の動きですが、

押さえるのは縦方向の動きです。

異なる方向に同時に力を加える、

と云う動きもまた大変そうです。

もはやこれは筋力云々と言うよりは感覚の問題ですね。

感じる能力が重要視されます。

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令和5年3月14日

10.刀を抜くのは練功法(83-10)

私のところでは刀を抜くことが

練功法になるような指導をしています。

功を深め、積むのにはいろんな方法がありますが、

これが最も上達を實感し易いですね。

昔の人はよくもまあ この刀を抜くという動作を 

練功法の域にまで昇華させたものだと感嘆します。

右手で抜かず 左手と腰で抜くと言うことです

正拳で突くとき 突き手と反対側の手を引きますが 

この時 引き手を勢いよく引く事で 

背中を何かエネルギーの塊みたいなものが疾るのを

感じますがそれと似てますね。

拳法の勁力による突きと言うのは

このエネルギーの塊を撃ち込むと言う事なのです。

刀を抜くと言うのも勁力を使うようです。

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令和5年3月7日

9.引き手(83-9)

今回のテーマは正拳突きの時の引き手について考えます。

一応知識としては知っていても攻撃することに躍起になり 

實際には殆ど顧みられることなく

無視されているような状態です。

めて引き手に注目してみると 

これは正拳突きの威力に

大きく影響している事が見て取れます。

正しく引き手が取られると 

少ない力でも大きな威力が出せます。

具體的には 突きながら引くと言うよりは 

引きながら突くようにするのが良いようです。

このように右手の動きをサポートしたり

強化したりするのに

左手の動きを利用することはよくあります。

もちろん その逆に左手の働きをサポート、強化するのに

右手の助けを借りるのも當然ではありますが。

動画のように形意拳の劈拳、太極拳の單鞭、摟膝拗歩にも

同様の用例が見られます。

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令和5年2月28日

8.刀を抜く(83-8)

一見すると拳法と何の関係があるのかと思われそうですが、

この刀を抜くという動作を深く掘り下げて研究していくと

思っても見なかった関連が見えてきます。

ポイントは手で抜かないと言うことです。

體捌きで抜くのですね。

これを丁寧に繰り返し稽古することで

胴體を充分に深く使えるようになります。

すると 形意拳の劈拳の掌打とか

太極拳の單鞭の掌打などが上達します。

これは刀の素振りでも同様な効果が出ます。

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令和5年2月22日

7.套路と練功法を関連付ける(83-7)

今まで色々と練功法を解明してきました。

これまでは練功法は練功法

套路は套路と別々に稽古して来ましたが 

如何せん時間が限られております。

それ故 套路の稽古が練功法を兼ねるようにしてまいります。

具體的には型の一つを稽古する時には

必ず功が深まるようにします。

そうすることで套路とは別に練功法を

稽古しなくとも良い訳です。

練功法だけでも良いのではないかとも考えたのですが

形式が少ないとやはり飽きてしまいますからね。

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令和5年2月14日 バレンタインデーの日に

6.アタマを切り替える(83-6)

今回の題は本来重いものですが

存外見過ごされております。

相手との闘いの場を二つに分けて考えてみます。

一つは離れて闘うと言うもの。

パンチやキックを主体にした

空手やボクシング等があります。

もう一つは接触して闘うもので、

投げ技や関節技を使う

柔道、レスリング等があります。

所が太極拳や八卦掌では

拳打を使うのにもかかわらず、

接触した状態で闘います。

これは接触、密着して

相手のパンチやキックを封じてしまおうと言うものです。

私もなかなかこの闘い方に馴染めませんでした。

が、苦節20年、

やっと使えるようになりました。

この闘い方で難しかったのは封じた後

どう攻撃するかと言う所でした。

これは封じた掌でそのまま攻撃すれば良いのですが

ここに氣付くのに

20年以上かかったと言うことです。

これには刃物を意識した稽古が役に立ちました。

具體的には日本刀を使った(木刀や模造刀で代用しましたが)

稽古です。

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令和5年2月7日

5.振動を与える(83-5)

私の所では掌打や拳打は

振動を与えるように撃つように指導しています。

と言うのも直接的な加撃では 

相手もそれに対応して筋肉をプロテクターのように堅くして

打撃が効かないようにしてしまうからなのです。

そのため攻撃側はその筋肉のブロックを崩してから

撃ち込まなくてはならなくなり 

より一層のパワーを要求される事になります。

一方 振動を与えてやると筋肉は弛み

加撃のエネルギーは内部に浸透しやすくなります。

ここの所は口伝になります。

太極拳の世界では軽く触れるだけで

相手を倒す技がありますが

それはこのような原理によるものなのです。

この振動に合わせて(シンクロさせて)

掌打を放っているのです。

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令和5年1月30日

4.      稽古を論理的に考える(83-4)

武術の稽古は二人でペアになってやるものが多いのですが 

これは一見勝負をしているように見えますので

技を創る面がおろそになってしまいがちです。

正確に技の通りに體を動かさねばならないのに

技を無視して馬鹿力で勝とうとするのです。

それ故、しっかりとその意義を理解して捉えてないと 

とんだ陥穽にハマってしまいます。

技を相手に掛ける時、掛ける方は兎も角、

受ける方は 相手の技が掛かりやすいように

協力してやらねばなりません。

「お前の技になど かかってやるものか」と

頑張ってはいけないのです。

身體が大きかったり 膂力が強かったりする人に

よく見られる現象です。

こうなると技を掛ける方は 無理に技を掛けようとして

馬鹿力を出して技を崩してしまうのです。

馬鹿力と馬鹿力のぶつかり合いです。

これのどこに技があると言うのでしょうか?

僅かの勝ちの代償に 

崩れた技と上達の遅れを得ると言う訳です。

では馬鹿力は絶體にダメなのか 

というとそんなことはないのです。

段階を踏めばいいだけの話です。

まず相手の協力があって技を掛けられる段階、

次に一歩進んで相手の協力がなくても技を掛けられる段階、

さらには相手が力んでても技を掛けられる、

相手の妨害があっても技を掛けられる段階

と進歩していく訳です。

そうなったらいくら力んでも妨害してもいいのです。

所謂 自由組手 と言うのがこの段階です。

整理しますと 初心のうちは相手の協力が入りますが

熟達してくると相手の妨害があっても

技を掛けられるようになります。

先程の例は初心者の稽古なのに

上級の稽古をやっているのですね。

これで上達できたら奇跡と言うものです。

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          令和5年1月24日

3.掌の内の使い方(83-3)

手の内の締めとも言いますが

要は肩甲骨からの力を如何に掌に通すか

と言う事です。

肩甲骨、肘、掌を連動させて使います。

當然ですが掌に来た力は

柄を通り刀身に行き、斬る力に変換されます。

動画ではキックミットを下腕部に装着し

木刀で打っていますが

両者の差は一目瞭然です。

手首の捻り、所謂、スナップ打ちで當てた方より

掌の内を締め、刃筋を立て、掌の押し込みを使った方が
強いエネルギーを伝えられます。

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令和5年1月18日

2.掌打を當てる角度(83-2)

掌打は當る角度によって

効果が著しく変わってきますので

竜爪掌で説明します。

三角形の瓶を用意しました。

正面を當てるのですが少し角度をつけます。

小指側をやや前に出し

前方の掌の小指側の小天星と尺骨を使います。

こうすることで

肩甲骨、尺骨、小天星を連動させて使う事になり

パワーが向上します。

この場合瓶の正面全體を當てても

通常の掌底突きくらいの効果しか得られません。

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令和5年1月11日

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