八卦掌と體術のよもやま話

投稿者: sekijuku@hakkeshou.com Page 2 of 11

八卦掌や太極拳、形意拳を使った護身術をやっています。

84-47.纏絲勁の實践

實際に用法に纏絲を使ってみました。

後脚の爪先を外側から内側へ捻って 

勁力を太腿、腰、胴體、両腕、両手

と伝達してみます。

動画の通り相手が跳ばされます。

もう一つは 前脚の爪先を外側から内側へと捻り

同様に両手まで伝達します。

今度はもっと跳ばされました。

勁力と力の関係について説明します。

勁力は速く、力は遅い。

勁力は軽く、力は鈍い。

絶対的なパワーは力の方が上です。

しかし勁力の方が速く作用しますので

結果、勁力の威力が強くなります。

この関係はガソリンなどの爆発物や火薬と

爆薬の関係に似ています。

火薬の燃焼速度は秒速三百メートルほどです。

これを爆燃と言います。

一方 爆薬の反応速度はいろいろありますが 

秒速五千メートルから秒速九千メートルほどです。

これは爆轟と言います。

ガソリンや火薬は火をつけると燃えます。

それが 毎秒数十センチメートルから三百メートル位ですが 

爆薬は燃えるのではなくて

爆薬の塊の中を

秒速数千メートルの速さで衝撃波が伝わるのです。

その衝撃によって

爆薬の分子構造が揺さぶられ分解しているのです。

見た目では同じ爆発でも 

爆燃と爆轟は別の現象なのです。

因みに火薬は火をつけると爆発しますが 

TNTやダイナマイトは ただ燃えるだけで爆発はしません。

爆発させるためには 

雷管で衝撃を与えてやる必要があります。

また爆薬の爆発は燃焼ではないので

水に濡れても爆発します。

これを勁力と力の関係に当てはめてみます。

力は勁力よりエネルギーは高いのですが 

反応速度が遅いため鈍く感じます。

それに対し、勁力はエネルギーは低くても

反応速度が速いため瞬間的に作用します。

ただ、力と勁力でがっぷり組んで押し合うと

勁力は力に負けることがあります。

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令和六年十二月十一日

84-4.一つを極めれば…

纏絲勁の稽古をしていますけど

脚から胴體、胴體から腕、腕から掌へと

勁力を伝達しています。

後脚の踵を軸にして、爪先を内側に捻り勁力を

発生させています。

雲手から單鞭への套路で稽古(単錬法と言います)で

やっているのですが 

纏絲勁の稽古の場合、(他の練功法の場合でも)

套路の稽古で修得するしかないのです。

それでしっかり身に付いたら

他の套路や用法でも使用できます。

ですから用法や沢山の套路を覚えなくとも

あまり 差し支えありませんね。

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令和六年十二月三日  

84-45.基礎練習の重要性

基礎練習の大切さは

いくら言っても 言い過ぎにはならないと思います。

私のところでは最近 

纏絲勁の稽古をやっていますが 

これがなかなか大変でした。

皆さん 私の所で稽古し始めて

大體十数年ほど経ちますが

その間色々な稽古をしてきました。

最初はミットを打つ稽古から始まり、

空手の基本稽古を数年、

長拳の稽古が数年、

太極拳の稽古も 陳式、楊式をそれぞれ数年、

その間に八卦掌、形意拳

棍に剣をと、と盛り沢山です。

これらは 大学における一般教養課程のつもりでやりました。

そして拳法一般の全體像が 大凡掴めた所で 

いよいよというか やっと纏絲勁の本格的な稽古です。

もっと早くやりたかったのですが

理解が追いつかず、身體の運用も

おぼつかず、で現在に至ります。

ただ、拳法の一般教養課程の修得に

タップリ時間と手間をかけたお陰で

今は面白いくらいに上達しています。

これは早い時期に

纏絲勁の稽古をしなかったおかげです。

本当言うと 

この一般教養に 二十年以上かけても良かったかもしれません。

しかし この歳になって 

後どれくらい寿命が残ってるかわかりませんので

まあこれくらいかな、と思っています。

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令和六年十一月二十七日

84-44 捻りの説明.追加

吾々がやってる捻りは 

外から内側に捻るものと 

内から外に捻るものとがあります。

(一応 肘のみに限定して説明します。)

捻る時 肩甲骨を連動させます。

そのために體の回転を 少し利用します。

外から内への捻りは

大きく螺旋運動ををすると使いやすいです。

内から外への捻りは

肘を胸前に持ってくるといいです。

これらは 

一つひとつ ゆっくりと稽古しなければなりません。

そうしないと體が覚えてくれません。

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令和六年十一月二十日

84-43. うねり

うねりのやり方について紹介します。

まず 弓歩で立ちます。

前脚の爪先を上げ 

身體と重心を後ろに引きます。

爪先を着け膝を垂直にします。

この時 重心は後ろ足のままです。

腰を前に移し少し遅れて 

上半身を前脚に載せます。

これで極まりですが

重心は 後三割、前七割位とします。

上半身は起立して

前に泳がないのがよろしいです。

左右繰り返します。

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令和六年十一月十五日

84-42. 何故に棍や刀を使うのか

一言で言うと その方が技が深まるからです。

これは食事を例に取るとわかり易いでしょう。

栄養価が高いからといって

毎日肉や魚ばかりを食べられるか、

と言う事です。

肉にしてもステーキもあれば

焼肉もあるし 煮てもいいし、

ミンチにしてもよし、です。

魚にしても煮魚もあれば 焼き魚もあるし

調理法はいくつもあります。

毎日同じ物ばかり食べる

のも飽きてくるでしょう。

栄養素は同じでも色んな食べ方、

料理で栄養を摂るしょう。

それと同じ事です。

身體の使い方でも 

何も使わないでやっても

よくわからなかったけど 

道具を使ったらよく理解出来た、

身に付いた、と言うことが多いのです。

素手の武術なのに

武器を使う稽古をするのは 

そのためです。

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令和六年十一月五日

84-41.ドリルの様に捻り込む

今回も捻りの修得の説明です。

捻りは回転する運動の一形態ですが 

ただの回転と異なるのは

回転しながら

前進する という事です。

横方向に回転しながら 

縦の方向に進みます。

そのため回転する面は

斜めになり螺旋運動をします。

つまり 一回転すると

元の位置に戻るのではなく 

前進した位置になります。

これを拳で行うのですが 

拳は腕に付いていますので 

三百六十度回りません。

せいぜい百八十度位でしょう。

つまり 百八十度度回転する間に

六、七十センチほど進むという事です。

ゆっくり回転させながら

速く進むのです。

これはかなり難しいです。

回転が速くなりがちです。

もう一つの要点は 回転面が斜めになり 

螺旋状に進む事です。

斜めに螺旋状に進ませることで

拳が喰い込むのです。

回転が速いと喰い込まずに

表面で停滞する事になります。

以上ですが 独習はかなり難しいです。

そのつもりで稽古して下さい。

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令和六年十月二十九日

84-40.捻りの修得(論理的に)

今回、うねりの説明に行く予定でしたが 

もう少し 捻りの事について説明しておきます。

雲手から單鞭への套路で修得します。

要点だけ説明します。

まず 雲手を数回して 左足を出します。

一、右爪先を内側に捻る。

二、右太腿を内側に内転させる。

  左手は右肩に當てておくと良い。

三、胴體を左に捻る。

  この時 臍が進行方向を向くと良い。

四、胴體を右に戻す。臍が斜め前になる。

五、左手で掌打を放つ。

以上 五段階の動作になります。

當然のことですが 

このままでは發勁になりませんので

五段階の動きが身に付いたら 

四番目と五番目の動きを同時に行います。

四段階の動作になります。

實際に人に対して 軽く放ってみて 

効果があったらヨシ、とします。

効果が感じられなかったら 

また元に戻り 五段階の動作を繰り返す訳です。

レベルアップすると謂うのは 

より少ない動きで効果が出せると謂うことです。

上手くいかなかったら

また元に戻り 

前の段階の動きを繰り返します。

四段階の動作で

効果的な發勁が出せる様になったら 

三、四、五、の動作を

連続して出来る様にします。

ここでのポイントは出来ない時 

前の段階に遡って 稽古すると謂う所にあります。

これが上手くいったら

殆どの技術の修得が可能になると謂う訳です。

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令和六年十月二十二日

84-39. 捻りとうねり

勁力の發し方には 

捻りながらドリルの様に發する方法と 

津波の様に波動の力で發する方法とがあります。

勿論これ以外にも色々なやり方がありますが

今回はこの捻りと うねりの二つについて考えといきます。

捻りについてですが 

巷間、誤解があります。

それは拳を捻ったらそれでよし、

と謂うものですが 

これではハッキリ言って意味がありません。

拳を引いて當てるまでに捻りが終わっている、

と謂うことはドリルを回転させて

回転が止まってから

ドリルの刃を當ててる様なもので、

全く刃は喰い込んでいないのです。

木材にドリルの刃が當っている状態で回転させて

始めて刃が喰い込む訳でしょう。

拳も相手に當たった状態で回転させて

始めて拳が食い込む訳です。

なぜ この様なことが起こっているのか考察してみます。

すると 人體をどのように捉えているのか、

と謂うところに行き着きます。

人體を堅いもの、固體だと捉えていると 

謂う事です。

人體が堅い固體だったなら

喰い込むと謂う発想は出てきにくいと思うのです。

拳を堅めて叩き割ると謂う

発想になるのでしょう。

一方 人體が柔らかい液體みたいなものだ

と考えている方は 喰い込ませる、

波動で壊す と謂う発想になると思うのです。

ドリルの刃の喰い込み方はピッチが多い方 

たくさん回転させる方は

堅い物にも喰い込み易いのですが 

深く喰い込めません。

柔らかい物だと ピッチは緩く

回転は落とした方が良く喰い込みます。

人體だとゆっくり回転させた方が

深く喰い込み 威力が増します。

今回は捻りの説明が思った以上に

長くなりましたので 

うねりの説明は次回にします。

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令和六年十月十六日

84-38.足半草履はスパイク靴

足半を使ってて氣がつきましたが 

足半は 陸上競技のスパイク靴と同じような

働きをしてますね。

足半を 足首の自由度を上げるためのものだと

認識したり

脹脛の筋トレの為のものだと

思ってる人もいる様ですが 

足指と踵で地面を掴んで

反動が 

後ろに逃げない様にする働きをしています。

後脚では地面を後ろに蹴って

前に進むと思ってる人もいますが 

そうすると土塊を後ろに蹴り出す為 

ロスが多いのですよ。

地面を足指で掴む事で 

後脚は下向きのモーメントが働く様になり

ロスが少なくなります。

結果 突きや蹴りの威力が向上します。

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令和六年十月八日

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