體術のブログ

八卦掌と體術のよもやま話

八十三の三十七 形意拳の開式その二

形意拳の開式を研鑽しているうちに

見えて来るものがあります。

それは技をどう見るかということです。

技は形としてしか現せませんから

闘いの形態として捉えていることが殆どですが 

長年研鑽を積んでいるうちに

見えて来るものがあります。

それは技とは闘いの形式を学ぶものだけではなく 

その中身が重要なのだということです。

拳でいうと當たると相手が壊れる、

手刀だと斬れるということ、

もちろん實際に斬れるわけではないのですが 

斬れるように見えるということです。

これは相手に対して

破壊的な威力を与えられるということです。

その要点は身體の使い方にあります。

身體の使い方の深いところは意識の使い方、

コントロールにあるのです。

こうなって来ると

既存の考え方では間に合わなくなってきます。

意思、想念、感情の順に身體の運用力は上がっていきます。

何々しようとするより 

イメージする方が身體は操作しやすいのです。

もっと具體的に説明しますと 

ある動きをするのに手がどう、足がどう、動きがどうと

考えながらするより

ある動きの姿を思い描きながらする方が 

よりレベルが上がりやすいのです。

これは紙より薄く鉋掛けをする人のことや、

ミクロン単位で金物を削る職人がいると言う事實で

説明できると思います。

このような細かい作業をする場合

手足がどうのこうの言っていられないと思うのです。

吾が形意拳でも最後は

この様な想念を使うレベルになると言うことです。

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令和五年十二月七日

八十三-三十六 形意拳の開式

形意拳の開式について説明します。

開式は開門式とも言います。

まず大鵬展翅式です。

私の所では半身になって行います。

左の掌と左の足を同時に出すのですが 

これが中々上手くいかないのです。

足の方が早くなってしまい弱くなります。

それで掌の方を早く出します。

掌が斜め四十五度位出たところで足を出すと強くなります。

次の右拳も腰の動きと合わせるのですが 

これも腰が早く動いて

拳が後からついて来る場合が多いのです。

そこで拳は腰から臍を通り

正中線を下から上へ上がり 

喉から口のほうへ移り 

口から拳が出るようにして

それから腰を動かします。

すると拳が強くなります。

その後の左の劈勢も 

通常は右の肘から打ち出すのですが 

これもチグハグになりやすいので

左の掌は右の肘から動かし 

右拳と左の肘が重なるくらいまで出してから

打ち出します。

文字にすると面倒ですが

動画を見て頂くと理解しやすいでしょう。

これらは熟達してきたら正規のやり方で行います。

令和五年十一月二十七日

83-35 身體の使い方

二ヶ月ぶりのブログ更新となります。

屋根の修理中転けて地面に落下、

ドクターヘリで大学病院に緊急搬送され、

入院してました。

鎖骨と肋骨八本、肩甲骨を骨折し、

内臓にも損傷がありましたが 何とか回復しました。

呼吸が本調子ではなく痛みもありますが

まあ何とかやります。

動画を観て頂けると分かりますが 

肚を前脚に載せ、地面からの反発力を

感じ取りながら立ちます。

動画のような棍の持ち方では力が入らないのですが 

肚と反発力を使うと

素晴らしい威力を発揮します。

棍を肩に担いで受けたのですが

潰されてしまいました。

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令和五年十月三十日 

83-34  手刀

所謂 空手チョップのことですが 

これが何故 手刀と謂れて居るのかを考えて見ました。

手の指を揃えて伸ばした形から

手刀と謂れている様にも思えます。

が、少し違う様にも思えます。

刀の素振りをやってみて判ったのですが

刀を振り下ろす時の掌の形とか

動きに関連していそうです。

因みに 此れは木刀とか竹刀では氣づけませんでした。

刀(模造刀でも可)の

刃筋を乱さずに振り下ろす動きが 

質的変化を起こすことで、

単なる掌の動きが手刀(て かたな)になる、

ということです。

つまり刀の素振りは手刀の修得に繋がると

いう訳です。

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令和五年八月二十三日

83-33. 時が過ぎれば

最近 痛感するのですが

思ってた以上に足腰が衰えているみたいです。

一つには 脚の使い過ぎで

膝関節を悪くしていることもあるのですが

それにしても弱すぎです。

「羹に懲りて膾を吹く」という諺がありますが

まさしくそれですね。

そこで膝関節に出来るだけ負担を与えない方法での

トレーニングを考えて見ました。

脚の爪先に重心を移し、腰を低くする。

これで大分回復しました。

しかしながら

自分は人並み以上に足腰は丈夫だと

慢心してしまった結果がこれです。

「常に初心忘るべからず」で精進しないといけないと思いますね。

昨日の台風で一日中停電してしまい

パソコンも使えなくなり

電気のある生活のありがたさを實感しています。

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令和5年8月16日

83ー32.  錘と功

足首に錘をつけるということを

功との関連でやって見ました。

動画を参照して下さい。

通常 土台を強化する場合 

足首の錘の重量は重い方が良いと思うのですが

バランスとの兼ね合いでそうとも言い切れません。

動画の様に左側が二キロ

右側が五百グラムで強くなるのですが 

これを左四キロ、右一キロにしてみても

返って弱くなります。

これは左右のバランスは取れても

上下のバランスが崩れるのだろうと思います。

このことから足首に錘を嵌める事で

功を深くする事が出来るのですが 

それもある一定の限られた範囲内でのみ、

と言えると思います。

前回のブログで書きましたが 

この足首に装着した錘の代わりに、と言うか

本来はこちらが主なのですが 

套路をやる事でも功を深くする事が出来る訳です。

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令和五年八月八日

八十三の三十一.功の説明

今回動画を用意してたのですが

撮影が上手くいかず

失敗しましたので 動画無しでやります。

功の働きを説明するのに人を押してその効果を見ます。

馬歩で立ってる人を横から押します。

次に押す方の足首に500gの錘を装着して押します。

功が深いと錘無しでも動かせますが

通常は錘有りの方が動かせます。

今度は站樁をしてから押します。

形が不正確な場合は押しても動きませんが

站樁の形が正確ならば功が出来て動かせます。

この場合 站樁は足首の錘と同等の働きを

しているわけです。

この時 站樁も足首の錘も 功が出来ていると

表現します。

令和五年八月一日

83-30.審査

そろそろ審査を考える時期となりました。

今まで全部一緒くたにして来ましたけど

ある程度自分の實力を客観的に

知っておいた方がいいと思うのです。

自分の技の出来上がり、

威力を知ることと、その技がどれくらい相手に対して

使えるのかを自覚しておく事です。

技の威力は功の深さで見ます。

功が深ければ

深いほど技の威力、キレが増します。

また相手に対してどれくらい使えるか、というのは

初めは組手や対打で観ますが

最終的には 組手、対打ではなく

ある指定された型、套路の仕上がりで見る様にします。

まずは技の威力ですが

双按、掌打で観ますが

この時 細かい条件を設定します。

套路をやってから掌打を放ちます。

詳細は後ほど現場で説明します。

初級レベル、中級レベル、上級

レベルと区分けします。

技の使い方は後ほど説明します。

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令和五年七月二十八日

83-29.天井を見る

先日 新聞の記事で 

猫背を治したいなら天井を見ると良い 

という記事を見つけました。

要点は ただ背中を反らせるというのではなく 

天井を眼で観る というところにあります。

眼でしっかりと観て 認識することで身體に

対する影響力を高めるというわけです。

自分は背筋はしっかりとしてる、と

思っていたのですが 

三点倒立をして見て 

その違いを認識することが出来ました。

天井を観てからの三点倒立がやり易いのです。

自分でも氣が付かぬうちに胸椎が

歪んでいたのです。

按や拳での打撃が効かないのは

背骨が歪んでいる事もあるのだ、

とも氣がつかされます。

天井を観ることで本来の威力を回復します。

後は 歪みが是正されることで身長が伸びますね。

まあこれは元に戻るのだと思いますけど。

大體3乃至4cm位は伸びます。

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令和五年七月十八日

八十三の二十八.足の裏

樁法の説明です。

これは王向齊伝の杭樁法です。

通常の站樁法や套路の稽古でも使えます。

初心者のうちは足裏の湧泉穴(土踏まず)を意識して立ち、

中級者になると脚跟(踵)を使い、

上級者では脚前掌(上足底、爪先)を意識して立ちます。

套路の稽古時も初心者は湧泉穴に意識を墜とし、

中級者は脚跟に墜とし、

上級者になると脚前掌に體重を載せると良いでしょう。

以前から太極拳の名人の人間離れした跳躍力に

納得行かなかったのですが

これで氷解しました。

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令和五年七月十一日

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